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大化改新の方程式(125) 宝姫王が飛鳥にこだわった理由が大化改新の謎を解くヒントとなる

皆様、あけましておめでとうございます。
昨年は更新が滞りがちになってしまっても辛抱強くリピートいただきありがとうございました。
今年はなるべく定期的にアップできるよう頑張りますので、引き続きよろしくお願いします。


新年早々挑戦的なタイトルからのスタートとなった。
これから述べることはいわゆる「トンデモ説」の類かもしれない。だが、飛鳥の主要メンバーたちが朝鮮半島あるいは九州の出身者だったり2重国籍をもっていたりするような荒唐無稽さはない(と思いたい)。
ただ、おそらくこれまでだれも着想していなかったのではないだろうか。その意味においては、やはり“トンデモ”なのかもしれない。

さて、宝姫王が飛鳥にこだわった理由について私なりに考えていたことを昨年末数回にわたりまとめてみた。
そこから、飛鳥から大和全体に展開する彼女の壮大なプランへと話をすすめる予定であったが、そこまでの考察から長年疑問に思っていたことが氷解した(気がする)ので、ここに記しておくことにしたい。

その疑問とは2つ。
1.蘇我蝦夷・入鹿が甘樫丘につくったものはほんとうに山城なのか。
2.なぜ孝徳天皇は中大兄皇子や宝姫王に置き去りにされたとき、山崎(京都府乙訓郡大山崎)に宮をつくろうとしたのか。

1番目の疑問について通説では「山城のような邸宅」というのがほぼ了解事項であり、その目的について「大王を凌ぐ権力の象徴」や「唐の来襲に備えた要塞」などで説が分かれている。
私は蘇我父子の邸宅がそこにあったとはしないが、それが「山城」であることを前提に、以下のように考えていた(要塞都市・飛鳥大化改新の方程式(117))より引用)。
皇極・入鹿政権は、百済の調使に倭国朝廷による人民動員力をみせつけることで百済の譲歩を引き出すことを狙い、甘樫丘の山城化を中心とした“要塞都市・飛鳥”建設を強行したこと。(対外的なデモンストレーションのみならず、朝廷内の反女帝勢力への圧力の意味もあったであろう)
つまり、私にとっても解決済みの論点であったが、実は、以下のことがずっと腑に落ちないままであった。

蘇我父子がつくった甘樫丘の「山城のような邸宅」あるいは「山城」が乙巳の変で燃え落ちたとしても、そこが飛鳥にとって戦略的な要害という認識はその後も強く残っていたであろう。
とすれば、白村江の敗戦後に各所に山城を建設した際、真っ先に甘樫丘を山城化したはずなのに、そうした記事がない。
またそこに山城のような施設があったのなら、壬申の乱の際に大海人皇子に呼応して飛鳥で挙兵した大伴軍が真っ先に攻略しただろうが、そうした形跡はない。

上で引用した自説についても俎上にのせるべきだろう。
「百済の調使に倭国朝廷による人民動員力をみせつける」ための山城をこの小さな丘につくったとしても、山城築城の技術力においては倭国を遥かに凌ぐ百済からの使者には物笑いの種にしかならない。

いま3つの命題がある。
・飛鳥を要塞化するほど当時は海外情勢が緊迫していたわけではない。
・皇極女帝と蘇我入鹿との間は良好で、蘇我氏が大王を威圧するための施設をつくるとは思えない。
・来倭する百済使節に誇示するための山城にしてはチンケすぎる。

とすれば、答えは1つ。これは「山城」ではない。もちろん「山城のような邸宅」でもない。

では、蘇我父子はここに何をつくろうとしたのか。
そして、それをつくる指示が皇極女帝から発せられたものであるなら、なぜ斉明として返り咲いた彼女、“興事好き”と言われたほどの彼女が、同じ場所に同じものをつくろうとしなかったのか。

その問いに答えるためには、再び、宝姫王が飛鳥の地にこだわったほんとうの理由を確認する必要がある。

コメント

甘橿丘

 確かに私も、甘橿丘の「山城」には違和感を覚えていました。
 「城」だったとしたら、れんしさんもお書きになっていたように白村江敗戦後や壬申の乱時の扱いが説明できませんし、日本書紀が主張するように蘇我の専横の象徴であったとしたならあれほどまでに板蓋宮に近い場所に築城を許されるはずがないからです。
 また、細かいことですが、日本書紀には蝦夷の邸宅が「上の宮門」として頂上にあったかのように記されていますが(私もその設定で小説に書きましたが)、実際に登ってみれば結構な標高のある甘橿丘の頂上に、70歳を越えていたはずの蝦夷の邸宅があったというのは不自然な気がします。
 それらの疑問点に解を与えてくれそうな今後の展開に、大いに期待したいところです。

Re: 甘橿丘

梅前さま
コメントありがとうございます。

>それらの疑問点に解を与えてくれそうな今後の展開に、大いに期待

外したときが怖ろしい・・・

実は、着想の発端は、梅前さんのコメントなんです。
その意味では、梅前さんだけでも納得いただけるような展開にしたいと思っております。

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